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Ibaraki Prefectural University of Health Sciences


放射線被ばくに関する基礎知識

平成23年3月17日  放射線医学総合研究所

1.関東一帯でも放射線のレベルが高くなっていると報道で聞きました。大丈夫でしょうか?

 放射線のレベルが通常の10倍あるいは100倍などと聞くと,たいへん高い線量のように感じられると思いますが,実際には健康に影響のないレベルです。
 15日午前9時〜午後5時に東京と栃木,群馬,埼玉,千葉,神奈川,山梨,静岡の1都7県で計測された放射線レベルでは,最大で1時間1マイクロシーベルトと報告されています。これは,たとえこの放射線レベルで1年間生活したとしても,合計の放射線量はおよそCT検査1回分程度と,健康に影響のないレベルです。また,実際には,ピーク時の値がずっと続くことはありません。

2.被ばくの検査をしてほしいのですが,できますか?

 放医研では,一昨日,昨日と東京電力や付近で作業をしていた方の被ばくの検査を行いましたが,これまで除染が必要となるような被ばくをしていた人は一人もいらっしゃいませんでした。
 こうしたことから,屋内退避や避難という指示の対象外の方には被ばく検査の必要がないと考えております。
 なお,現在,避難所では被ばくの検査を行っていますが,これは健康に影響がないことを実際に確認して,安心していただくことを第一の目的としております。

3.除染とはどのようなことを行うのですか? 家でもできますか?

 お風呂に入る,髪や身体を洗う,衣服を洗濯することです。よって,普通の生活をしていても,日常的に除染を行っているということになります。

4.私は妊婦です。放射線の影響はありませんか?

 妊婦の方におかれましても,他の皆様方と同じ対応で問題ありません。放射線量として,100ミリシーベルト以下では胎児への影響は検出されないことから,現在の状況では健康影響を心配する必要はありません。
 また,安定ヨウ素剤は,薬の一種です。アレルギーなど副作用を起こす可能性がありますので,服用には注意が必要です。妊娠中の方はご自分の判断でヨウ素剤を飲んだり,ヨウ素を含むうがい薬や消毒薬などを飲んだりなさらないようにしてください。
 その他,妊婦さんの注意点は書きホームページをご参考下さい。

  • 厚生労働省ホームページ:「5.妊婦さん,産後間もないお母さんと乳幼児の健康のために」(別ウィンドウ:PDFファイル)
  • 日本産婦人科学会ホームページ:「福島原発事故による放射線被ばくについてしんぱいしておられる妊婦・授乳中女性へのご案内(特に母乳とヨウ化カリウムについて)」(別ウィンドウ:PDFファイル)

一般的な除染の方法

 東京電力(株)福島第一原子力発電所事故に関し,被ばく等の可能性をご心配になられている方は,まず,以下のことを行っていただきますようお願いいたします。

 汚染があったとしても,以下の処置でかなりの程度放射性物質を洗い落とすことができるはずです。
1.洋服,靴を脱いでビニール袋に入れる。
2.布やウェットティッシュなどで拭き取る(拭き取った布などはビニール袋などに入れて捨てる)。

 シャワーが利用できる方は,以下のことを行ってください。
1.髪をシャンプーする。
2.顔を洗う。(石鹸,ボディソープ)
3.体を洗う。耳の中,爪の間も洗う(石鹸,ボディソープ)。
4.洋服は洗濯するか,気になるようでしたら捨てるのがよいでしょう。

一般的な除染の方法(水が利用できない方へ)

 東京電力(株)福島第一原子力発電所事故に関し,被ばく等の可能性をご心配になられている方は,まず,以下のことを行っていただきますようお願いいたします。

 汚染があったとしても,以下の処置である程度の放射性物質を拭き取ることができます。拭き取った後は,汚染が広がることはありません。
1.洋服,靴を脱いでビニール袋に入れる。
2.布やウェットティッシュなどで拭き取る(拭き取った布などはビニール袋に入れて捨てる)。

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